折れたプラスチックフレームの修理は可能?


こんにちは。

メガネの修理の技術って年々向上していて、一昔前だとできなかった修理も可能な時代になりました。

今回お話しするのはその中でもプラスチックフレームの修理についてです。

【 レスザンヒューマン 明鏡止水-89MGY-45サイズ 】

40年ほど前はセルロイドという素材を使用したプラスチック製品がほとんどでした。磨いた時の光沢感や重厚感は加工性は良かったのですが、可燃性の素材のためその後セルロイドからアセテートと呼ばれる素材に代わってきました。素材は代われどプラスチックフレームの総称としてセルフレームと呼ばれていたのです。

セルフレームはそのプラスチックの板を削って成形し作っていたのに対し、近年は素材もいろいろ増え、インジェクションと呼ばれる型に溶かした材料を流し成型するウルテムTR-90といった素材まで数は増えました。

生地の色・デザインではセルフレームの方が良いのですが、以前は折れたら最後部品交換しか修理の方法はありませんでした。今ではレンズを止めるリムの部分の折れの修理も可能になり、今回ご紹介するのはフロントとサイドを止める丁番の付け根の部分の修理です。

いかがですか?
10年前はこんな修理はできませんでした。この部分は接着だけでは強度が持てないため、中に補強をするための芯を打ち込んであります。

たまたま今回お預かりしたフレームが色目の薄い生地だったため芯を入れた様子がわかりやすいと思います。

このアセテートと呼ばれる生地でなく、最近の量産品で安く上がるウルテム素材などはこういった修理はできないのでそっくり部品交換となります。コンセプト系などハウスブランドのフレームになると数多く作っていないためお値段も高く、簡単に部品交換するにしてもそれなりのお値段になるのです。

フレーム右側は破損していない状態。芯が入っていることはこのカラーのフレームではわかりやすいですが、もっと黒いフレームでしたらまったくわかりません。

復活した姿がコチラ。スモールラウンドですが、エッジの効いたこのフレーム。

愛着のあるフレームだからこそ直したいものもありますよね。フレームメーカーでパーツを在庫していれば交換修理もできますが、フレームによってはないものも多くありますから修理ができるという事はありがたいことです。

今回の「明鏡止水」・・・いかがでしょうか?
このフレームには一本一本名前がつけられていて、明鏡止水とは、邪念がなく、澄み切って落ち着いた心の形容。▽「明鏡」は一点の曇りもない鏡のこと。「止水」は止まって、静かにたたえている水のこと。「鏡」は「けい」とも読む・・・と四字熟語辞典には記載されています。

レスザンヒューマンというファンキーなメーカーの考えるクラシカルなラウンドメタルを追求した結果このようなデザインになりました。このオーナーさんもこのメガネが直って大喜び。

皆様の愛着のあるメガネは当店でしっかりと対応させていただきます。