みなさん、こんにちは。
今日は朝からいい天気でどちらへお出かけでしょうか?
汗ばむ季節になると気になる「メガネのずり落ち」、そう、安いメガネフレームなどは初めからフィッティングをするなどという概念はなく、また海外製造製品など日本人に合わせて作っていないから、具合がイイはずもない。
1.フレームのデザインは気に入って買ったものの鼻が合わない
一見普通のメガネフレームでプラスチックで成型した鼻パッドの部分は盛ってあり、それなりには掛けられそうです。ただし残念ながらこれを持参したお客様には合っていなかったようです。
2.作業開始 もともとのパッド部分の切除
当店ではそんな合わない鼻の部分の修正も行っています。今回はクリングスの足つけ加工をご説明しましょう。
ニッパを当ててカットをしていくわけですが、実はこれがこれで大変。厚みを見ながらカットする角度を見ながら少しずつ力を入れていきます。
力を入れすぎると一気に破断し、肝心のフレーム部分にも我が入ってしまうからです。切り込みが少なければその後のやすり崖が大変になるし、多ければ破損する確率も増えます。
そのあたりの力加減が難しいのです。フレームメーカーさんの仕上げも良くできているので、それをこのように破壊していくには慎重にやらなければなりません。
もちろん右側が終わったら次は左側。もちろん両側をカットします。
3.破断面のヤスリ掛け
次に破断面のヤスリ掛けです。これも気を付けなければ削らなくても良いところまで削ってしまうこともあります。
ヤスリ掛けをする際のキズを極力抑えるため養生テープでマスキングをします。
4.磨き+穴あけ
ざらついた表面をきれいに仕上げます。初めは金属のヤスリ掛けから始まり、500・800・1200と番手を上げていきます。その後バフ掛けをします。バフ掛けの写真がありませんが、一度磨いてみてきれいにヤスリ掛けの跡がけせていない時や、艶の出が悪い時は再度下の番手の紙やすりまで戻って磨きなおしをします。
その後マーキングした位置に穴あけを行います。穴の径、深さを気にしながら開けていきます。狭すぎてはしっかりと固定できませんし、大きすぎては使っているうちに緩くなってしまうからです。
5.クリングス部品の打ち込み
穴が開いた後指定の長さの部品を打ち込みます。この部品は何種類かありますが、当店では現在細くてバネ性もあるササマタ製の部品を使っています。
さらにその部品にも長さの違うものが3種類あり、フレームの形状、お客様の鼻の高さ、鼻のどの位置に着地点を持っていくかをイメージしながら決定します。
両方とも打ち込みが完了し終了です。今回のフレームはキーホールと呼ばれるデザインがあるため、その部分に打ち込みました。
今回お客様のご希望でお持ちのその他フレーム2本にも同じような加工を施しました。仕上がったフレームの出来上がり具合はいかがでしょうか?
始めからこんなつくりのような純正感があり足なしのタイプに比べ足の長さ、角度等調整できるタイプになったため掛け具合は格段に向上しました。
上に書いたように思った以上に繊細で、加工中の破損の際には保証ができないため、当店で販売したフレーム(経年劣化の少ないプラスチックフレーム)が対象となります。
プラスチック素材と言えど、セルロイド・アセテート系の素材は対応可能ですが、ポリアミド・TR-90・ウルテム等の樹脂フレームは加工不可になります。
他店購入フレームにどうしても加工を・・・という方はご相談ください。